ある人は、「自己紹介」と言いました。常に彼の意識は外に向かっていたからです。商談を成り立たせるかどうかということに意識がずっと向いていたから、自分の切り札は自己紹介だと言ったのです。
しかし、私の考える、会社に勤める社員としての切り札は何かというと、「報告」です。絶対に、報告なのです。報告の習慣が身についていることが、切り札です。
この報告ということ、できそうで、できません。思わず自分の都合ですべてをやってしまうものです。一人でやっているとき、家にいるときは別に誰にも報告しません。しかし、会社というのは、かならず主(社主、社長)がいて、その主の下で仕事をしているわけですから、その会社の仕事はすべてその主の意向に沿っていなければいけないのです。意向に沿っているかどうかは、いくら自分はちゃんとやっていると言っても、報告をしないとずれているかどうか、分からないのです。
ですから、報告の習慣が身についている、いつでも報告できるという人は、切り札になっていくと思います。それは、会社に勤めても充分やっていけるし、何か人とチームを作ってもやっていけると思います。
これが、たとえば自己紹介なら一週間くらい考えに考えて、面白い印象的な自己紹介をつくることもできますが、報告というのは、「報告の習慣」と言っているくらいですから、身につけること、習慣にすることが難しいのです。