それからもう一つあります。仕組みというものは、五歳の子どもに用事を言いつけてもその子ができるようなものでなくてはならないということです。コンピュータや帳簿では、一度数字に置き換えたり、頭の中で組み立てたりしていますが、そういうことをしなくても済むような仕組みです。

たとえば在庫管理は、うちでも最初しょっちゅう合わなくて大変でした。今は、棚にシャンプーなら8個が決まった場所に並んでいます。その日に3個出ると棚から3個なくなります。夕方にふと見ると3個分スペースが空いているので、見ただけで3個出たということが分かります。帳簿を見なくても3個無くなっているということは、倉庫に3個取りに行って3個埋めておいて一日は終了です。あくる日の朝は、全部揃ったところからスタートする、という仕組みです。

これにたどり着くまで、みんな在庫表とかノートを作ったりしました。でも、そうすると、つけ忘れたりして分からなくなることがありました。それで、こういう仕組みにしたのです。すると常に把握できて、出た分だけが無くなり、無くなった分だけ補充するという形にしたのです。