(4)達弥西心のわかりやすい話「経営」

達弥西心のわかりやすい話「経営」

2009年10月

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (18/47) - HMU 達弥西心

ダム式経営ということを知って、私はどちらかというと季節指数を排除すること、売れても売れなくても目標だけはいつもコンスタントに一緒ということを考えました。そして、それを実際にやってきました。

たしかに二八はあるかなと思う時もたくさんありましたが、あってもなくても、そこでへこんだ部分を必ず取り返さなくてはならないのです。へこんでもいいとしてしまうと、他の月に余計に頑張らなくてはなりません。そうではなくて、苦しいときほど、このコンスタントにいくラインをへこませない。出来るだけへこませないという形でやろうとしてきました。

川上野球という、一回に一点ずつ取るというのは、すごい発想だと私は思ったのです。それと同じような形で、ずっと今まで経営というものをやってきましたし、セールスマンの時もそう思ってやってきました。

調子が良い時も悪い時も、もちろん波はあるのですが、波がないがごとく運営していく、経営していくことが一番望ましいと思うのです。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (17/47) - HMU 達弥西心

しかし、これをやっていてはいけないと思ったのです。

たとえば野球で言えば、下位打線だから打てない、点が取れないかもしれないということがあってはいけないのです。その回がたとえ下位打線でも、点を取ってくることが目標だからそれなりに打ってくれなくてはいけないし、バントでも滑り込んでも点数を取ってくれないといけないわけです。そう考えてくると、季節指数というのは自分が作り出したものだと気付いたときに松下幸之助さんの「ダム式経営」というものにぶち当ったのです。

売れる時と売れない時があるから、売れている時はお金がたくさん入ってくるけど、そのとき売れたからといって使っちゃうと、売れなくなる時にお金が底をつくので調整して、コンスタントに安定して使うことがいいと松下幸之助さんは考えたと思うのです。それを聞いた京セラの稲盛さんは、それをやろうと思って、さらに発展させて「無借金経営」という形を作ったのです。お金を他から借りなくてもいい、貯めていくことで自由自在に使えるお金をつくったということです。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (16/47) - HMU 達弥西心

私は学校を出て、洋服の卸会社に勤めたのですが、そのときにしきりに言われたことがありました。それは季節指数というのがあって、「二八(にっぱち)は売れない」というのです。それをずっと信じていたのですが、確かに季節の変わり目で売れないというのがありました。今は季節感がなくなってきていてほとんど関係ないようですが、ずっと言われ続けていたのです。言われ続けていると、そうじゃないかなと思います。住宅の会社を始めたときも、二月と八月が売れませんでした。ああ、やっぱり売れないなと。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (15/47) - HMU 達弥西心

この川上野球のことがずっと頭にあったので、とにかく毎月毎月これだけいかなくてはいけないという数字を確実に達成することが経営なんだと思っているのです。野球を観戦しているほうは、負けているけど9回の裏で一発逆転で勝ちましたというのは、すごくカッコいいと思うでしょうし、そういう野球を観たいと言うでしょう。観る方はそうですが、経営者になってみてよく分かるのですが、そういうのはたまりません。9回まで点が入らないで、負けるんじゃないかと思いながらやっているわけです。

たとえば資金繰りのことでいいますと、月末に入ると思ってはいても、入らなかったらどうしようと思いながらやっているようなものです。それがもし本当に入らなかったら、アウトです。そうやって考えていくと、確実に1日からコンスタントにやっていく、ということをしなくてはならないと思いました。川上さんは経営感覚がずば抜けていると思いました。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (14/47) - HMU 達弥西心

そうなると、この場面だったら長嶋がホームランを打ってくれたらカッコいいんだけど、ちょっと今の調子じゃあ・・・と思ったときにはバントを命じるんです。お前はアウトでもいいから、いま一塁にいるヤツを二塁に進めてやってくれということです。それをやっていたのです。だから、長嶋がどうの、ということではなく、そこにたまたま回ってきたその人の調子がいいかどうかでバントをさせるか、あるいは打たせるかということを決めていたということでした。

たしかに、お互いに1点ずつ点を入れていって、こちらが9点で、相手が一回だけゼロの回があったら8点に終わります。相手が一回だけでも失敗すると、こちらは勝てる。私がすごく好きだったのは、ミスがなければ必ず勝てるという考え方です。

「一人ひとりが一つひとつをパーフェクトに行えば、すべてにおいてパーフェクトゲームができる」というのは、私なりの法則になっていくわけです。誰もがかならず完璧にやることによって、パーフェクトゲームが達成できるということです。

ゼロでいいと容認することが駄目だ、と思ったことにつながっていくわけです。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (13/47) - HMU 達弥西心

そうして考えていたら、川上さんのことが鮮やかに思い浮かんだのです。彼の話は面白くて、野球というのは9回ありますが、1回に最低1点ということを目標にしたそうです。彼の考え方は、9回やって1回に1点ずつ入れたら9点になる。相手が8点以下だったら勝てるというものでした。ごく当たり前のことだと思います。

しかし解説者がよく言いますが、一巡するまではピッチャーの様子を見ているんでしょうとか、球筋を見ているんですね、4回くらいからが勝負ですよ、なんていうのがあります。でも4回に勝負と思ったときピッチャーが代わったらどうするのか、また球筋を見なくてはなりません。川上さんは言っています。1回から絶対勝たなくてはならない。点を入れなくてはならない。先頭打者というのは、とにかく一塁に出ることが絶対なんですと。バッターボックスに立ったら必ず塁に出てくれ、塁に出て、全員が塁に出ていくと点が入ると。そうすると、その回の目標は何かと言うと、1点取ることなのです。もちろん、2点、3点でもいいのですが、1点は取ることです。ゼロではいかん、と。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (12/47) - HMU 達弥西心

何が変かと言いますと、2ヶ月単位ならいいのです。2ヶ月で1棟売ってくれということですが、それなら会議を毎月やる必要はありませんし、一人ひとり目標を言わせる必要もありません。目標をゼロ、と平気で言うことがおかしいのです。

人間目標がないと、たとえ出来そうにない目標であっても目標がないということは、向かえないし準備しないものです。ゼロでいいとなると、本当にゼロになるのです。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (11/47) - HMU 達弥西心

その会議で一人ひとりに目標を言わせるのですが、入社して一年以内の人はみんな年間6棟と言わなければならないのです。年間6棟は良いのですが、今月の目標も聞くのです。このとき一緒に入った入社一年目の人たちが今月の目標「ゼロ」と言うのには耳を疑いました。ゼロということは何もしなくていいのかと思いましたが、よくよく聞いてみると奇数月はゼロ、偶数月は1なんです。そして結局年間で6棟になるわけです。私の番になって私は「今月、1」と言ったら、「違うんだよ。君は売れるかもしれないけど一応新入社員だから、一年目だからゼロだよ」と言われました。私は意地で毎月一軒売って、半年で辞めました。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (10/47) - HMU 達弥西心

話は変わりますが、私は住宅会社の支店長をやった後に、半年だけ不動産会社に就職しました。6ヶ月在籍して6軒売りましたが、この6軒というのは意味があるのです。

その会社に一月に入社して、一月の会議に出ました。その会社では入社して一年間に6棟売ったらいいのです。6棟が基準になっていて、12ヶ月で6棟ですから、2ヶ月に一棟ずつ売ったら良いということです。これは、あまり経営が分かってるとはいえません。

●つぶれない経営1 -私のおもう経営- (9/47) - HMU 達弥西心

面白い野球をやってくれ、勝ち負けはどうでもいいよというオーナーだったら、おそらく別の野球をやっていたと思います。とにかく勝ってくれと言われた、それを忠実に守ったらあの野球になった、ということです。そのことはずっと言わなかったけれど、と辞めたあとに彼は言っていたのです。

それはそうだと思います。もしオーナーがいなかったら、自分は監督ができないのですから、オーナーがこういうことを希望しているのですから、主(オーナー)の意に沿った野球をやっただけなのです。その結果、九連覇を成し遂げたわけです。
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