そういうところを見てみると、これは自分の胸の内というか、心の中の状態のバロメーターになっていると思います。こんな人間がいくら考えても考えつかないような、計算ではいかないようなことを知らしめるためにお金というのはあるのだと思います。
2010年02月
私は３０代のとき、すごく興味を持って貯金をしていたことがあります。積立貯金をしていたのですが、グラフをつけていると、ある一定の額にいくと、何ごともなかったらどんどん上がっていくはずなのに、必ずいろんな問題が出てきて下がるのです。自分の身近なところでお金が要るんです。不可抗力というものですね。そしてまた頑張って貯めていくと、また下がるのです。壁ってあるんだなと。その辺でだんだん分かってきました。「これは自分の器だなあ」と思うようになってきました。
もちろん集まった方がいいのです。でも集まり過ぎると、決壊するようになっているのです。その見極めを誰も言いません。「いくら（以上）集めてはいけない」「あなたこれ以上集めたらだめ」と誰かが言うことは絶対にないので、必ず自分の心の中で決断するのです。「これはちょっとまずいぞ」「この辺まではいいだろう」とかです。
ということは、お金がドッと集まりはじめたときは、ちょっと危険だと思わなくてはいけないです。
雨が降ってきた、川に水がいっぱいになってきた。すると、どこかで氾濫するかもしれない、と思う方が正解です。そうしたら、これ以上はいけないぞと思ったら、どこかで放流しておかなければなりません。
簡単にいうとそういうことです。
雨が降ってきた、川に水がいっぱいになってきた。すると、どこかで氾濫するかもしれない、と思う方が正解です。そうしたら、これ以上はいけないぞと思ったら、どこかで放流しておかなければなりません。
簡単にいうとそういうことです。
それほど、お金というのは命の次に大事だと言われているように、人の命さえ動かしかねないものになっています。そのお金を人間に与えたということは、それは扱い次第なんだよということを意味しています。扱い次第、ようするに、どのように扱っていくかその扱い方を天は見ていて、この人にもっとお金が入るように、あるいは入らないように、あるいは動かないようにするということなのです。矛盾を体験させるためにです。
つまり、放すために集めさせているわけです。そういうことなのです。
いろいろな矛盾がこの世の中にあって、それをはっきり見させるものがお金なのです。たとえばお金が守らなければいけないモノになったり、お金を人を動かすためのモノとして遣ってみたり、いろんなことでお金というものを認識させられます。お金がからんだ事件はたくさん出てきます。
いろいろな矛盾がこの世の中にあって、それをはっきり見させるものがお金なのです。たとえばお金が守らなければいけないモノになったり、お金を人を動かすためのモノとして遣ってみたり、いろんなことでお金というものを認識させられます。お金がからんだ事件はたくさん出てきます。
また、そう思えなくても、得たものはすべて手放さなければならないということからすると、「じゃあ最初から得させなきゃいいじゃないか。最初からお金はない方がいいじゃないか」となりますが、お金を得る楽しみというのもあるのです。築き上げる楽しみもあります。それはそれでいいのです。それは否定しないのです。でも、得たものは手放していくのです。すなわち、やはり矛盾というものを実感させるためにあるのです。
誰も外に向かってはしゃべりませんが、「これをどんな思いをして自分が集めたと思うのか」とか、そういう心の中の思い、それを見られているのです。矛盾を体験させるためにお金が、この世に、我々に得られるということです。
こうやって自分の手元に入ってきたけれど、これは出ていくというのがわかっている。あるいは死ぬまで持ちこたえたとしても、最期には手を放していくのです。そのときに何を感じるかというと、執着したり、これはどんな思いで手に入れたものかとか、いろんなことを思います。そうすると、このお金に対する思い、その裏側に流れるものが問題になるのです。
ある人が「人間はひとりの方がいい。なぜならば、別れなければならないから」と言いました。「別れなければいけないんだったら、最初から出合わない方がよかった」と。
そんなに思うほど出会うことというのは別れることを意味していますし、お金を得るということは、必ずそれを放していくということを意味しているのです。
そんなに思うほど出会うことというのは別れることを意味していますし、お金を得るということは、必ずそれを放していくということを意味しているのです。
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